各相続人ごとの法定相続分
1. 配偶者と子供が相続人のケース
配偶者1/2、子供(2人以上のときは全員で)1/2
2. 配偶者と直系尊属(父母{父母が既に死亡している場合は祖父母})が相続人のケース
配偶者2/3、直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
3. 配偶者と兄弟姉妹が相続人のケース
配偶者3/4、兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4
4. 内縁の妻へ財産を渡したい場合
内縁の妻は法律上配偶者ではないため相続人とはならないため、遺言により相続分を指定する必要があります。
なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。
法定相続分は財産分割のよりどころとして法律が示した基準にすぎない!!
基本的に被相続人(死亡者)が自分の財産をどのように処分するかは本人の自由であり、その意思を死亡した後に明示するものが遺言となります。そのため、遺言により被相続人の意思を反映した指定相続分が法定相続分よりも優先されます。
次に、遺言による指定相続分がない場合には、複数の相続人間での協議により相続分を決定しますが、その協議を円滑に進めるために法律上示した一定の基準が法定相続分となっております。
なお、相続税の申告・納付期限は相続開始後10ヶ月以内となっておりますので、相続人間での協議が難航した場合は、一先ず法定相続分で相続したとして期限内に申告・納付を行い、後日協議終了後に修正申告を実施する流れとなります。
相続人に保証された最低限の取り分(遺留分)とは?
相続財産を誰にどのぐらい与えるかは原則として被相続人の自由ですが、「全財産は大好きな愛人に与える」というような遺言を残されてしまったら、長年連れ添った家族があまりに不利益を被ることとなってしまいます。そのような不利益を被らないためにも、民法では相続人への遺留分を定めております。
遺留分は、相続人全体で全財産の2分の1ですが、相続人が直系尊属のみのケースでは全財産の3分の1となります。なお、兄弟姉妹は遺留分がありません。
その後各相続人への具体的な配分については、遺留分全体を法定相続分と同様に配分されますので、相続人が配偶者と子供であればそれぞれが4分の1ずつ、相続人が配偶者と直系尊属であれば配偶者が6分の2・直系尊属が6分の1、相続人が配偶者と兄弟姉妹であれば配偶者が2分の1・兄弟姉妹はゼロとなります。
今回は相続人間での法定相続分や遺留分について記載しましたので、次回は遺言について述べていきたいと思います。
以 上
石川大祐
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