その他

新会計システム導入時の留意事項

会計システムを入れ替えるタイミングって

会社にとって、既存の会計システムの入れ替えを検討するタイミングは2回くらいあるのではないでしょうか。

1回目:小規模企業から中規模企業に成長したタイミング

2回目:中規模企業から大規模企業に成長したタイミング

1回目は、IPOを考え始めた頃のような、今まで脆弱だった内部統制や管理会計の体制をゼロから作り上げるような時です。税理士に委託していた記帳を内部化するような時もあります。2回目は、上場後一定期間経過し、業務効率と内部統制を見直しERPパッケージを導入するような時です。

今回は上記1回目の入れ替え時に留意したい事項を挙げてみました。(2回目はERPパッケージによる影響が大きいので割愛します。)

会計システムを選択する時に何を検討する?

はっきり言って、どの会計システムも基本的な機能は同じです。ですが以下の機能で対応に差があるようです。

■内部統制関連

・仕訳の承認:無承認での仕訳反映されるかどうか

・締め/解除処理:段階的な締め処理の有無、解除手続きの方法

■管理会計関連

・部門別会計:部門やプロジェクト別に管理を行えるか

・原価計算(配賦計算を自動で行うか)

■他システム連携

・連携方法(手動連携か、自動か)

システムが「○○対応!○○連携!」と謳っていても、それが要求水準を満たしているとは限りません。会計システムの営業マンを呼んでヒアリングをした方が良いでしょう(これ、重要です)。ヒアリングすることがわからなかったら、担当会計士等に相談するのも良いでしょう。

操作性も会計システムよってかなり違います。できれば実際に操作する機会を作れると良いですね。

なお、親会社がいる場合や監査を受けているような場合、思わぬ要求があるかもしれませんので、事前に関係者に相談しておいた方が良いでしょう。

金額面では、追加オプションや運用方法(クラウドorオンプレミス)等で大きく変わります。各社のホームページに記載されている料金だけはわからない部分がありますので、見積もりを取ったうえで検討しましょう。

データ移行で留意することは?

データ移行は会計システム会社等に委託した方が安心でしょう。ただし、会計システム会社等によって移行費用の幅は大きいのでしっかりと見積もりを取りましょう。なお、データ移行については、以下の事項を検討しなければなりません。

・移行するデータ:残高のみでよいか仕訳も必要か

・移行するデータの期間:過去何年分必要か

・移行作業期間:新会計システム本稼働時期に間に合うか

・補助科目や部門:項目の見直しや新設を行った場合、組替えが必要か※

※例えば、それまで行っていなかった部門別管理を過去に遡って行う場合、伝票単位で部門別の分類を手作業で行う必要があるため、移行期間は長くなります。

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原田智法
大手監査法人の監査部門・アドバイザリー部門の知識・経験により、M&A支援・事業再生支援業務、各種コンサルティング業務を中心に展開しております。
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