年末調整の時に用意する2つの書類
年末調整の時期がやってきました。年末調整の時に用意する扶養控除等申告書と保険料控除等申告書。何で年度が違うか知っていますか?それは提出期限に違いがあるからです。
扶養控除等申告書:その年最初に給与の支払いを受ける日の前日
保険料控除等申告書:その年最後に給与等の支払いを受ける日の前日
今年で言えば、平成29年の年末に用意する書類は「平成30年分」の扶養控除等申告書と「平成29年分」の保険料控除等申告書になります。
年末調整しない人は提出しなくていいの?
この2つの書類、セットで提出を求められるせいか、年末調整の対象でない場合は両方提出しなくていいと思っている方が多いのですが、扶養控除等申告書は提出を忘れると大変です。
給与から源泉(天引き)される源泉所得税は「甲欄」と「乙欄」があり、扶養控除等申告書の提出がない場合、会社は「甲欄」よりはるかに高額の「乙欄」で源泉しないといけないのです。
実務上よく問題になるケースのご紹介
最も多いのが、年収2000万超の社長や役員の方が確定申告をするからといって扶養控除等申告書を作成していなかったケース。
源泉の額が違っても確定申告で精算されるから別にいいのでは?と思うかもしれませんが、会社の税務調査で扶養控除等申告書がないと指摘されると、乙欄で源泉して納付すべきですよ!と言われてしまい、法人で乙欄と甲欄との源泉の差額に対して不納付加算税と延滞税を課せられてしまいます。
次に多いのが、年の中途で入社された方のその年の扶養控除等申告書の回収漏れのケース。年末に翌年分と一緒に当年分の扶養控除等申告書を提出してもらえればいいのかなと思っている方も多いのですが、年の中途で退職してしまって扶養控除等申告書を回収できずじまいだったということありませんか?
万が一これを指摘されたら最悪です。不納付加算税や延滞税だけでなく、乙欄と甲欄の差額の源泉分も会社が負わないといけないかもしれません。辞めた従業員から徴収するのって大変ですよね!?
書類がないだけで追徴されてしまうのは勿体ないですね。
扶養控除等申告書は、入社時の書類一式と一緒に用意してもらい、年末調整しない方からも回収忘れのないようにしましょう!