決算早期化の現状
2017年6月に東京証券取引所より平成29年3月期の決算発表状況が公表されております。
情報によると、決算発表会社数2,345社(前年同期2,358社)、所要日数39.3日(前年同期39.6日)となっております。
近年において決算早期化という言葉がよく聞くようになりましたが、5年前の決算発表状況と比べて、早くなっているのでしょうか。
上記と同じく東京証券取引所が公表している平成24年3月期の決算発表状況では、決算発表会社数1,704社、所要日数38.4日となっております。
決算発表会社数が増えているため、単純に比較することは出来ませんが、5年前よりも所要日数が延びているという結果となっております。
一方で四半期決算発表ではどのような状況になっているのでしょうか?
平成30年3月期第1四半期決算発表会社数は2,344社(前年同期2,356社)、所要日数34.9日(前年同期34.6日)となっております。
決算早期化のメリット
決算早期化には決算締めの早期化と決算発表の早期化という二つの意味があると考えられます。
まず、決算締めの早期化のメリットについては以下が考えられます。
(1)経営陣、マネジメント層が実績数値を早く把握することが可能であり、次の一手を行うか否かをより早く決断することが可能となる(投資判断をより早く入手できる)。
(2)経営企画部(担当者)が実績数値をより早く把握することで、予実差異分析を迅速に行うことができ、今後の着地見込の算出をより合理的に実施することが可能となる。
(3)経理担当者の繁忙期が早く終わることで生まれる余剰時間を他の管理業務に充てられる。
(4)決算締め作業の早期化は業務の効率化であるため、経理部担当者の残業時間が減らせることで会社と従業員がWINWINとなる。
次に、決算発表の早期化のメリットについては以下が考えられます。
投資家に投資判断に有用な情報をより早く提供できるということに尽きると思います。
それでは次回以降で、決算締め作業の早期化について具体的に事例等を踏まえつつ、方法を書きたいと思います。
蝦名大輔
最新記事 by 蝦名大輔 (全て見る)
- 非上場会社の上場を目指すための事前準備(システム編) - 2018-03-29
- 事業報告・計算書類と有価証券報告書の関係と今後 - 2018-03-12
- 非上場会社の上場を目指すための事前準備(Ⅰの部編) - 2018-02-14
- 非上場会社の上場を目指すための事前準備(IR編) - 2017-12-25
- 決算早期化の実例 - 2017-12-21